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データによると、ICEは犯罪歴のない約7万5000人を逮捕した。

公開日
2025-12-07
メディア
NBC News
記事要約
カリフォルニア大学バークレー校の「強制送還データプロジェクト」が訴訟を通じて入手した新たなデータによると、トランプ政権発足後の最初の9か月(1月20日〜10月15日)にICE(移民税関執行局)が逮捕した約22万人のうち、3分の1以上にあたる約7万5,000人は犯罪歴がなかった。政権が「凶悪犯やギャングを優先的に取り締まる」と繰り返してきた主張とは矛盾すると専門家は指摘している。

データはICE内部の逮捕・収容・送還を扱う部署によってまとめられたもので、政権が詳細な統計の公開を停止した後の実態を示す貴重な資料となっている。犯罪歴のある逮捕者についても、軽微な罪と重罪の区別はされていない。

また、このデータには国境警備隊(Border Patrol)による逮捕は含まれておらず、同隊は最近シカゴ、ロサンゼルス、シャーロットなど複数都市で積極的な取り締まりを行っている。国境警備隊がどれだけ逮捕しているのか、送還につながっているのかは「ブラックボックス」だと専門家は述べた。

ホワイトハウスのスティーブン・ミラー上級補佐官が「1日3,000人を逮捕しなければICE幹部を解雇する」と圧力をかけていたことが報じられているが、実際のICEの逮捕者数は平均824人/日で目標から大きく下回っている。それでも2024年のバイデン政権下の平均(312人/日)の2倍以上だという。

逮捕者の約90%が男性で、国籍別ではメキシコ(約85,000人)が最多、次いでグアテマラ(31,000人)、ホンジュラス(24,000人)が続く。60%以上が25〜45歳であり、建設業などでは労働力不足が深刻化していると業界代表者は述べ、強硬な取り締まりが企業に悪影響を及ぼしていると警鐘を鳴らした。

データでは、何人が送還されたかは明確でないが、「自発的帰国(voluntary departure)」として22,959人が記録されている。現在ICEは約65,000人の移民を収容施設に拘束している。
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