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社会保障破綻危機:国外追放が事態をさらに悪化させる

公開日
2025-07-18
メディア
American Immigration Council
記事要約
アメリカの社会保障制度は深刻な財政危機に直面しており、2033年には年金給付が最大23%削減される可能性がある。背景には、年金を支払う若い労働者が減り、高齢者受給者が増えている人口構造の問題がある。1960年には労働者5.1人につき受給者1人だったが、2022年には2.8人に減少し、今後さらに悪化する見込みだ。

こうした状況で、移民、特に不法移民は重要な役割を果たしている。不法移民は農業、建設、サービス業、介護などの労働力不足の分野で働き、多くの税金を納めて社会保障基金を支えている。実際、2023年には不法移民だけで社会保障基金に262億ドルを納めているが、彼らの多くは社会保障の給付を受けることはほとんどない。

人口の高齢化が進む中で、移民は労働力の安定に貢献し、社会保障や医療保険の財政を支えている。だが、厳格な移民取り締まりや不法移民の強制送還は、労働力減少を加速させ、社会保障基金の破綻を早める恐れがある。

社会保障制度を持続可能にするには、増税や給付改革など多角的な対策が必要だが、何より労働力人口の確保が不可欠だ。不法移民が社会保障を支える重要な存在であることを認識し、政策を見直すことが求められている。
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