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アメリカ人は移民の減少を望むのか、増加を望むのか?新たな世論調査はバイデン政権時代の傾向を覆す

公開日
2025-07-11
メディア
Miami Herald
記事要約
最新のギャラップ世論調査によると、アメリカ人の移民に対する意識がこの1年で大きく変化し、移民を「減らすべき」とする人の割合が大幅に減少し、移民を「良いこと」と捉える人の割合が過去最高に達しました。

調査は2025年6月2日~26日にかけて1,402人を対象に実施され、「移民を減らすべき」と答えた人は30%で、2024年の55%から25ポイントの大幅な減少となりました。一方で、「現状維持」は38%、「増やすべき」は26%で、いずれも前年より約10ポイント上昇しました。

特に共和党支持層での変化が顕著で、移民削減を求める人は2024年の88%から48%に減少。民主党支持層でも、削減を求める人は28%から16%に減りました。

また、「移民はアメリカにとって良いことだ」と考える人は79%と、2001年以降で最高を記録。共和党支持者でも64%が移民を好意的に捉えており、2024年の39%から大きく改善しています。

強制送還や厳格な取り締まりに対する支持も減少傾向で、強制送還に賛成する人は38%(前年47%)、国境警備隊の増員支持は59%(前年76%)に低下。一方で、移民への市民権付与を支持する人は78%と、前年より8ポイント増加しました。

ドナルド・トランプ前大統領の移民政策への支持率は35%にとどまり、62%が不支持と答えました。共和党支持者の85%が賛成する一方で、民主党支持者ではわずか2%のみが支持と回答しています。

この意識の変化の背景には、2つの大きな要因があるとされています。共和党の戦略家ジョン・フィアリー氏は、「トランプが移民問題を“解決”したことで、国民の脅威意識が和らいだ」と分析。実際、南部国境での不法入国者の拘束件数は記録的な低水準になっています。

一方、民主党の戦略家マシュー・マクダーモット氏は、「トランプの過激な取り締まり政策が世論の反発を招いた」と指摘。エルサルバドルの高セキュリティ刑務所への大量送還や、フロリダの劣悪な収容施設「アリゲーター・アルカトラズ」などが非難の対象となっています。

マクダーモット氏は「人々は残酷さや混乱を望んでいるのではない。日常的な問題に対する有能な対応を求めている」と語り、トランプの移民政策が国民の期待から逸脱していたことを示していると述べました。
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