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貴族院委員会は、必要な影響評価なしに熟練労働者移民改革が導入されたと述べている。

公開日
2025-07-29
メディア
Electronic Immigration Network
記事要約
2025年7月29日に公表された英上院の「二次立法精査委員会」は、内務省が7月1日に発表した移民規則の改正(HC 997)について、十分な情報提供と影響評価を行わずに抜本的な制度改革を導入したことを「説明不能かつ弁解の余地がない」として厳しく非難した。

改正では、技能労働者(Skilled Worker)ビザに関して大きな変更が行われた。具体的には、申請者のスキル要件をRQFレベル6(大卒相当)に引き上げ、介護分野を対象職種から除外、新たな「一時的不足リスト」を導入。これにより約180の職種が対象外となり、アフガン協力者向けの二つの定住支援制度も終了された。

委員会は政策の是非については立場を取らないものの、影響評価や事前協議が一切行われていないことに懸念を示し、特に説明資料に分析が含まれていなかったことを問題視した。委員長のワトソン卿は、「ビザ発給数が約40%減少すると予想され、特に介護分野への影響が大きい。影響に関する情報が全く説明資料に含まれていないのは理解しがたい」と述べた。

内務省は、改革前にビザ申請の駆け込みが発生しないよう迅速に規則を発表した必要性や、政府内での政策調整の遅れを理由に影響評価が間に合わなかったと説明。分析は白書作成段階で行われたが、最終的な評価の公表は先送りになったと述べた。

ただし、後になって提示されたデータによると、スキル要件の引き上げにより年間主申請者が約1万7000人、扶養家族が2万2000人減少すると推定され、さらに介護ルートの廃止で7000人が減少。合計で約40%の減少が見込まれている。

委員会は、このような重大な改革に対し、事前に影響評価がなかったことを再び「不十分かつ非合理」と批判。9月16日の議会手続き終了までに完全な影響評価を9月1日までに公表するよう求め、「間に合わなければ、移民担当大臣を招致し口頭で説明を求める可能性がある」と警告した。
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