世界の移民・難民
関連ニュース

保守党と改革党の政治家は移民の「ヒステリー」で裁判を危険にさらしていると元大臣らが主張

公開日
2025-08-05
メディア
The Guardian
記事要約
元閣僚や警察関係者は、保守党およびリフォームUKの政治家たちが移民に対する「ヒステリーと怒り」を煽っており、その結果、刑事裁判が崩壊の危機に晒されていると警告しています。

最近、難民申請者が滞在するホテル前での抗議活動が各地で広がる一方で、移民を巡る誤情報を含む議論が激化。リフォームUKの会見では、起訴前の被告人を「犯罪者」と呼ぶ発言があり、ナイジェル・ファラージ党首はこれを擁護しました。

イヴェット・クーパー内務大臣は、警察が容疑者の人種や移民ステータスを公表できるよう、指針の変更を要請したと述べました。

元保守党法務長官ドミニク・グリーヴ氏は、政治家の軽率な発言が強姦や誘拐といった重大事件の裁判に影響を及ぼしかねないとし、「法の原則を投げ捨てている」と批判。元反テロ担当官のニール・バスー氏も、政治家の発言が暴力を誘発しかねないと懸念を表明しました。

リベラル民主党のエド・デイビー党首は、ファラージ氏の発言が裁判に悪影響を与えかねないとして、法務長官に対し正式な警告を出すよう求めました。

一方で、元法相の複数人や保守党の重鎮らは、警察による透明性の向上(容疑者の国籍などの公表)を求める一方で、誤情報や司法制度の軽視に強い懸念を示しています。

また、SNS上での憶測や過激な発言が裁判に与える影響が深刻化しており、指針の見直しが急務とされています。

さらに、世論調査では、イギリス国民の多くが不法移民の数を大幅に過大評価しており、誤解や偏見が広がっている実態も明らかに。アムネスティなどの人権団体は、容疑者の人種や出自の公表に反対し、「危険な言説に火をつけるだけだ」と警告しています。

政府は現在、法制委員会にこの問題の指針見直しを依頼しており、秋にも報告が出される予定です。
タグ
英国

「英国」を含むニュース記事一覧

公開日
記事のタイトル
タグ