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「アイム・ダイイング…」苦痛で床を転げ回る外国人を“異常なし”と判断、死亡例も 「入管施設」で起こっている“医療放置”の実態

公開日
2025-07-19
メディア
弁護士JPニュース
記事要約
本記事は、日本の入管施設における外国人収容者の医療体制と人権状況の深刻な問題を描いている。医療へのアクセスは極めて制限されており、診察までに平均で2週間以上を要する場合もある。また、急病人であっても、病状の判断を医療の専門知識を持たない職員が行い、「容体観察」という名目で監視カメラ付きの部屋に隔離され、医師の診察や病院搬送が遅れる例が多発している。こうした体制の中、救急搬送が遅れたことで命を落とす事案も発生しており、2007年以降少なくとも15人が死亡している。

入管職員は、苦しむ収容者の訴えに対しても「異常なし」と判断し、必要な医療措置を怠る傾向がある。カメルーン人男性が「死にそうだ」と叫びながらも救急車を呼ばれず死亡したケースでは、床を転げ回る様子が監視カメラに記録されていたにもかかわらず、職員はその様子を「異常なし」と記録していた。

さらに、病院へ連行される際には、多くの収容者が手錠や腰縄を着用させられ、制服姿の職員に囲まれて公衆の面前を歩かされることもあり、これは深刻な人権侵害として批判を浴びている。これにより、診察を避けようとする収容者さえ現れている。こうした対応は、日本の法制度においても、また国際人権基準に照らしても大きな問題を孕んでいる。

国際連合の機関や人権専門家たちも、日本の入管施設における医療体制の不備と人権侵害について、度重なる勧告を行っている。しかし、入管当局は内部調査にとどまり、責任の所在を明確にしないまま、「対応に問題はなかった」とする姿勢を崩していない。

総じて、日本の入管施設では、外国人を人間として平等に扱う意識が欠如しており、その制度運用のあり方は、命と尊厳を著しく軽視しているという点で、国内外からの厳しい批判に晒されている。
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