入管・在留関連ニュース

在日ムスリムが直面する“埋葬困難” ──「土葬」を受け入れる寺院もあれば建設計画頓挫も

公開日
2026-02-20
メディア
Yahoo ニュース
記事要約
在留外国人の増加、とりわけ約42万人と推計される在日ムスリムの存在に伴い、日本での「土葬」をめぐる課題が各地で顕在化している。イスラム教では火葬が認められず土葬が原則だが、日本では火葬率が99%超と高く、自治体の条例や地域事情により土葬用地の確保は極めて難しい。

山梨県甲州市の文殊院では、宗教間対話の歴史を背景に個別相談の形でムスリムの土葬を受け入れてきた例がある。しかし、全国的には新たなムスリム墓地の建設計画が住民の反対や水源への影響懸念などで頓挫する事例も相次いでいる。大分県日出町や宮城県では、首長や住民の反対により計画が白紙撤回された。

法制度上、墓地設置は自治体の許可事項とされ、国は「自治事務」として関与を限定している。そのため、増加する土葬ニーズに対し、責任の所在が曖昧なまま課題が先送りされている状況にある。

背景には、土葬に対する衛生・環境面の不安や、日本社会において土葬文化がほぼ消失したことによる心理的抵抗感があると指摘される。一方で、ムスリム側も土地制約を踏まえ、一定期間後に遺体をまとめて移転する「墓地のリサイクル」など、持続可能な仕組みの検討を始めている。

在留外国人が過去最多を更新するなか、埋葬問題は「死」の場面で表面化する多文化共生の課題である。国と自治体、地域社会、当事者が役割をどう分担し、限られた土地と文化的配慮をどう両立させるかが問われている。
タグ
共生

「共生」を含むニュース記事一覧

公開日
記事のタイトル
タグ