世界の移民・難民
関連ニュース

カナダ移民改革は前進、オタワとケベックが主要政策でついに一致

公開日
2025-11-13
メディア
ImmigCanada
記事要約
カナダでは、長年対立してきた連邦政府(オタワ)とケベック州が、移民政策の方向性で珍しい一致を見せている。両者は、移民受け入れを経済・地域社会の余力に合わせて安定的に進めるべきだという共通認識を持ち、住宅・医療・公共サービスへの負荷に対応しつつ、労働力不足にも応える「バランス型」のアプローチへと移行している。

両政府は、移民数の成長は必要だが過度に急増させないこと、低賃金・必須労働を保護すること、受け入れ能力(住宅・サービス)との整合性、地域経済を支える一時労働者の重要性、そしてケベックの特性を尊重することなどで一致。これにより、新規移住者や雇用主にとって制度の予測可能性が高まり、長期的な計画が立てやすくなる。

一方で課題も残り、ケベックは地域の低賃金産業向けの特例判断を迅速化するよう求めているが、連邦政府は全国整合性を理由に慎重姿勢を崩していない。ただし両者とも、地方経済を維持するためにこうした産業を守る必要性では一致している。

数字の見せ方としては、連邦政府は安定化計画の下でも年間38万人の永住者受け入れを維持し、ケベック州の削減も限定的で、企業は依然として一時労働者に依存しているため、移民流入は今後も強い状態が続く見込みである。

総じて、今回の協調はカナダの移民政策をより安定的かつ統一的な方向に導くもので、今後は移住希望者にとっても明確で持続可能な制度運用が期待できる。カナダは、コミュニティを守りつつ世界からの優秀な人材を引き続き受け入れる「責任ある移民国家」としての立場を強化している。
タグ
カナダ

「カナダ」を含むニュース記事一覧

公開日
記事のタイトル
タグ