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C-12法案による移民法改正はカナダ全土で懸念を呼ぶ

公開日
2025-11-30
メディア
ImmigCanada
記事要約
カナダの移民制度は公平性と人道性で世界的に知られており、今回の「移民法改正案 Bill C-12」に全国的な注目が集まっている。難民支援団体、法律家、地域団体などが、同法案が弱い立場の人々の権利に悪影響を及ぼす可能性を懸念しているためである。法案は難民審査、情報共有、政府による書類停止権限などに影響を与える。

懸念される主なポイント:

難民審査の公平性の低下
 審査期限の短縮や不服申し立て機会の制限が提案されており、特に危険から逃れてきた人々が十分な証拠を示す時間を失う可能性がある。結果として不認定が増え、司法手続きの負担が増すとの指摘もある。

セーフサードカントリー協定による影響の強化
 すでに米国との協定で難民申請が制限されている中、Bill C-12はさらに申請者が米国側に送り返されるケースを増やす恐れがあり、適正な保護を受けられないリスクが高まる。

政府権限の拡大と不十分な保護策
 「公益」を理由に書類を停止・取消できるようになるが、その基準が曖昧で、判断が恣意的になり得ると批判されている。

個人情報共有に関する懸念
 難民申請内容や性自認などのセンシティブな情報が多数の機関と共有され得る点が問題視されており、差別・不利益のリスクが指摘されている。

薬物政策と紐づける規定による社会的影響
 薬物取締りと移民規制を結びつける手法は効果が乏しく、むしろ社会サービスへの投資が必要と公衆衛生団体は主張している。

なぜ全国で議論が起きているのか
カナダはこれまで危険から逃れる人々に安全と再出発の場を提供してきた。Bill C-12がその伝統を損なう可能性があるとして、多くの団体がさらなる議論と検証を求めている。

今後の見通し
国会審議は継続中であり、最終決定には至っていない。追加の議論や修正提案が行われる見込みで、政府からも追加説明が発表される可能性がある。移民や難民申請を予定する人々には、信頼できる情報源を確認し続けることが推奨されている。

Bill C-12をめぐる議論は、カナダの基本的価値観である「公平性・適正手続き・人権保護」の重要性を再確認させるものとなっている。
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