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カナダの移民制度、17,500件の外国人犯罪有罪判決が免除されるなか精査される

公開日
2025-07-08
メディア
ImmigCanada
記事要約
カナダ政府は過去11年間で、1万7,500件以上の外国人の犯罪歴を秘密裏に「免除(リハビリテーション)」してきたことが明らかになり、移民制度の透明性や公共の安全性を巡る議論が再燃している。

リハビリテーションとは?
カナダでは、外国人が過去に犯罪歴を持つ場合、通常は入国不許可とされるが、刑期終了から5年以上経過していれば、移民・難民・市民権省(IRCC)が「リハビリ済み」と認定することで、就労ビザ、学生ビザ、永住権、観光入国の申請が可能となる。2013〜2024年の間に計17,600人が認定され、2023年には1,505人が許可され、70人が拒否された。

問題点:犯罪の内容が非公開
どのような犯罪が許されたのかが公表されておらず、保守党のミシェル・レンペル・ガーナー議員などから「公共の安全性を評価できない」と懸念の声が上がっている。専門家の一部は、政治的理由での有罪判決などは理解できるが、暴力や性犯罪など深刻なケースは慎重な審査が必要だと指摘。

判断プロセス
軽微な犯罪はIRCCの担当官が判断し、重大なケースは移民大臣が直接審査する。判断材料としては、犯罪件数、経過年数、更生状況、地域の支援、現在の生活状況などが考慮されるが、詳細な統計は非公開で判断の一貫性が見えない。

米国の動向も影響
米国では犯罪歴のある移民の強制送還が加速しており、その一部がカナダを代替的な受け入れ先と見る可能性がある。一度受け入れられた後、再び不適格とされても、法的手続きにより国外退去まで数年を要するケースもある。

まとめ
カナダの移民制度は寛容で人道的と評価されているが、公共の安全とのバランスを取るには、リハビリテーションの透明性が不可欠である。今後、許可された犯罪内容や審査基準の公開が、制度への信頼維持と健全な議論のために求められている。
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