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(Asylum Seeker Resource Centre)アブデル=ハディ対オーストラリア連邦

公開日
2026-06-23
メディア
Asylum Seeker Resource Centre
記事要約
2026年6月10日、オーストラリア高等裁判所は Abdel-Hady v Commonwealth of Australia [2026] HCA 17 判決を下し、不法かつ無期限に移民収容されていた人々が政府に対して損害賠償請求を行う道を大きく開いた。

原告アブデル=ハディ氏は、ビザ取消後に移民収容施設へ収容されたが、2022年7月以降は健康上の理由で母国への送還が不可能となっていた。それにもかかわらず収容が継続されたため、不当監禁(false imprisonment)を理由に損害賠償を求めた。従来は2004年の Al-Kateb判決 により、送還の見込みがなくても無期限収容は適法とされていたが、2023年の NZYQ判決 がこれを覆し、無期限収容は違法であると判断した。

本件で政府は、2022年7月から2024年2月までの収容が法律上認められなかったこと自体は認めたものの、NZYQ判決以前はAl-Kateb判決に従っていたため責任を免れるべきだと主張した。しかし高裁は全員一致でこれを退け、「後に誤りと判断された判例に依拠していたことは違法収容の免責理由にならない」と判断した。

この判決により、無国籍者、難民認定を受けるべき立場の人、健康上の理由などで送還できなかった人など、実際には送還の見込みがないまま長期間収容されていた人々は、オーストラリア政府に対して不当監禁を理由とする損害賠償請求を行える可能性が高まった。政府は今後、Al-Kateb判決を根拠として過去の無期限収容を正当化することができなくなった。
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