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(euronews)シェンゲン協定は逼迫、連帯は崩れ、送還拠点を巡る対立も――EU、再び移民問題に苦慮

公開日
2026-08-31
メディア
euronews
記事要約
EUでは、7月30日にスペイン領セウタへ7万人超の非正規移民が流入した危機を受け、移民政策が再び最重要課題となっている。今回の流入は2026年の欧州全体の非正規入境数を一日で上回る規模で、EUの新たな移民・庇護制度にとって最初の大きな試練となった。今秋は、域内国境管理、移民の再配置、送還の迅速化が主要議題となる。

セウタ危機後、イタリアはスペインとの航空・海上国境管理を再導入し、スペインも対抗措置を取った。現在、ドイツ、スペイン、イタリア、デンマーク、オーストリア、オランダ、ポーランド、フランス、スウェーデン、ノルウェーが一時的な国境管理を実施している。シェンゲン圏の自由移動は、移民流入への各国の警戒によって大きな圧力を受けている。

新しいEU移民・庇護協定では、最前線国を支援する「連帯プール」が導入され、各国は庇護申請者の受入れ、資金拠出、人的・運用支援のいずれかを担う。しかし再配置には各国の抵抗が強く、制度開始直後から亀裂が生じている。2026年にはスペイン、イタリア、ギリシャ、キプロス、マルタから計8,878人が他国へ移される一方、最初に入国した国へ戻す「二次移動」への対応も対立要因となっている。

もう一つの焦点は、EU域外に設ける「return hubs(送還拠点)」である。6月に成立した新たな送還規則では、本人と関係のない第三国であっても、二国間協定があれば送還待機施設へ移送できる。ドイツ、オーストリア、デンマーク、ギリシャ、オランダは共同で制度化を進め、ウガンダやルワンダとの協議も報じられている。

ただし、送還拠点については、誰が収容者に法的責任を負うのか、収容期間をどう制限するのか、人権侵害時の救済を誰が保障するのかが不明確である。市民団体や専門家からは、英国のルワンダ計画と同様に、実施後に司法判断によって制度そのものが否定される可能性も指摘されている。

今回のセウタ危機は、EUの移民政策が「自由移動」「加盟国間の連帯」「不法移民の送還」という三つの原則を同時に維持する難しさを浮き彫りにしている。秋以降、シェンゲンの維持、2027年の連帯プール、域外送還拠点の制度設計をめぐって、加盟国間の対立がさらに強まる可能性が高い。
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