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年末 - 安全保障上の懸念と世論の変化により、欧州は2025年に移民規制を厳格化

公開日
2025-12-26
メディア
Anadolu Ajansı
記事要約
2025年、欧州では治安不安や世論の変化を背景に、EUおよび各加盟国が移民・難民政策を大幅に厳格化した。国境管理の強化や庇護手続きの制限が進み、不法越境や庇護申請数は、出身国との協力強化や入出国管理システム(EES、ETIAS)導入により減少した。

EUは12月、初めて域内共通の「安全な出身国」リストで合意し、バングラデシュ、インド、エジプト、モロッコなど7か国を指定。これにより庇護申請の迅速化を図る。2026年6月施行予定の「移民・庇護パクト」は、域外国境の強化、手続きの簡素化、加盟国間の負担分担を目的とするが、アムネスティなど人権団体は難民保護の弱体化を懸念している。

一方、ハンガリーやポーランドなどはEUの受け入れ割当制度に反対し、独自の厳格路線を維持。イタリアはアルバニアで庇護手続きを行う構想を主張し、市民権付与要件も厳格化した。オーストリアは国境管理や送還を強化し、家族呼び寄せを一時停止。ギリシャは庇護申請却下者への制裁を導入し、一部地域からの申請受理を停止した。

アイルランドは庇護・移民制度を大幅改正し、市民権申請までの待機期間延長や家族呼び寄せ要件の厳格化を実施。ドイツも庇護法制を強化し、安全国指定や国境管理、送還を加速させている。バルト諸国ではロシア・ウクライナ戦争を背景に国境制限が強化された。

英国では不法渡航対策と移民抑制を目的に、永住資格取得までの期間を原則10年に延ばす「成果連動型定住制度」を導入。小舟での渡航は続くものの、送還も増加している。

こうした欧州の強硬姿勢の背景には、反移民感情の高まりに加え、トランプ米大統領の再選による影響や、SNSを通じた議論の過激化があると指摘されている。
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