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トランプ政権の移民戦争でウクライナ移民が巻き添え被害に

公開日
2025-09-17
メディア
InvestigateWest
記事要約
アメリカの「Uniting for Ukraine(ウクライナ統一)プログラム」で避難してきたウクライナ人の一人、デニスは、ロシアの攻撃を逃れて家族と共にワシントン州スポケーンに移住した。デニスは合法的に入国し、溶接工として働いていたが、トランプ政権の政策転換により労働許可の更新が停止され、仕事を失った。現在は生活費を元隣人のスポンサーに頼りながら、失業手当の連絡を待つ不安定な生活を送っている。

「Uniting for Ukraine」はバイデン政権下で始まった人道的パロール(仮滞在)制度で、アメリカ人の支援者を見つければウクライナ人が一時的に滞在・就労できる制度だが、トランプ政権はこの制度を凍結。更新手続きも停止され、数十万人のウクライナ人が就労権を失う危機に直面している。スポケーンでは他の移民(ベネズエラ人など)が強制送還の対象となり、抗議デモで逮捕者も出るなど混乱が広がっている。

地元の移民弁護士や支援団体は、制度の不透明さと連邦政府の対応の遅れに危機感を募らせている。一部のウクライナ人は合法的に働くため、長期化が予想される難民申請を検討しているが、申請から6か月は働けないため、それすらすぐには解決策とならない。

議会では一部議員がウクライナ避難民の保護継続や永住権への道を模索する法案を出しているが、大きな進展は見られない。トランプ政権は移民全般に対し厳格な姿勢を強め、今後さらに就労許可の取得を困難にし、費用も引き上げる方針を示している。

デニスは「この国が大好きです。ただ、働くチャンスをください」と訴えているが、今の彼や同じ立場にある人々は、「明日がどうなるか分からない」という不安の中で生活を続けている。
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