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(BBC)ベルファストのナイフ襲撃事件は「不安定化要因」だとテロ対策顧問が発言

公開日
2026-06-11
メディア
BBC
記事要約
英国の独立テロ法監察官ジョナサン・ホールKCは、北アイルランド・ベルファストで発生した刃物襲撃事件を受け、移民が国家安全保障に与える影響を議論することは「正当である」と述べた。事件では、2023年に英国へ入国し難民認定を受けたスーダン出身の30歳男性が殺人未遂で起訴されたが、ホール氏は今回の事件自体は国家安全保障事案ではないとしながらも、事件後に発生した人種的緊張や暴動が社会を不安定化させた点を重視した。

ホール氏は、近年の移民政策を経済や住宅問題だけでなく、安全保障の観点からも検討すべきだと主張した。特に、紛争地域出身者や暴力を経験した人々については、過去の経験が将来のリスクに影響する可能性があり、治安機関が過激派組織参加者の帰国リスクを評価する際と同様の視点が必要だと述べた。また、トランプ前米大統領が欧州の移民政策を批判した点にも言及し、移民と安全保障の関係について欧州でも真剣な議論が必要だとの認識を示した。

一方、英国政府は2026年4月に公表した社会統合戦略で、「社会的結束は国家安全保障の重要な要素」であり、「移民は地域社会の統合を支える形で管理される必要がある」との立場を示している。また、EUでも新たな移民・難民協定が発効し、亡命手続の厳格化が進められている。

ただし、移民と犯罪の関係については慎重な見方もある。英国オックスフォード大学移民観測所のベン・ブリンドル研究員は、2024年のイングランド・ウェールズにおける外国籍者の有罪判決者や受刑者の割合は人口比率(約13%)とほぼ同じであると指摘した。国籍によって差はあるものの、犯罪率には年齢や性別、社会経済的状況など複数の要因が影響しており、難民認定時に将来の犯罪リスクを正確に予測することは極めて困難だとしている。

政府側は、現政権下で約6万7千人の国外退去・送還を実施したと説明し、公共の安全を脅かす外国人については今後も厳しく対応する方針を示した。一方、野党保守党は、違法移民の即時送還を可能にするため、英国が European Convention on Human Rights から脱退すべきだと主張している。

またホール氏は、事件の刃物襲撃映像がSNS上で大量拡散されたことにも懸念を表明した。過激な暴力映像は若者の過激化や模倣行動を助長する可能性があり、実際に英国のサウスポート襲撃事件の犯人も残虐映像に影響を受けていたとして、こうした映像の無制限な共有は危険であると警告している。
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