世界の移民・難民
関連ニュース

(UK in a Changing Europe)人種と空間:「純移民数」の盛衰

公開日
2026-05-26
メディア
UK in a Changing Europe
記事要約
筆者は、英国で重視される「純移民(net migration)」統計は、移民問題を正確に示す指標ではなく、人種化された不満政治を正当化する役割を果たしてきたと批判している。純移民は「入国者数-出国者数」であり、減少しても、それが移民減少によるものか、自国民流出によるものかは区別されない。実際、近年の英国では純移民は大きく減少した一方、英国人やEU系住民の流出が増え、非EU系移民は依然として増加している。

筆者によれば、英国で純移民が政治の中心指標となったのは、2000年代以降、保守党や移民制限派が「人口圧力」「住宅不足」「公共サービス負担」といった言葉を用い、人種問題を直接語らずに移民不安を表現するためだった。しかし近年は、「白人英国人が置き換えられる」といったより露骨な言説が広がり、純移民という婉曲表現すら不要になりつつあるという。

また、純移民削減目標を掲げても移民問題への不満は解消されず、むしろ「移民を減らすべきだ」という考えを政治的に固定化したと指摘する。現在の英国では、問題視されているのは単なる人数ではなく、「誰が来て、誰が去り、誰が国民として認識されるのか」という点へ移っていると論じている。
タグ
英国

「英国」を含むニュース記事一覧

公開日
記事のタイトル
タグ