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「『殺せ』と叫ぶ人と議論できますか?」 クルドから在日コリアンまで……差別と闘う神原元弁護士の問い

公開日
2025-10-13
メディア
弁護士ドットコム
記事要約
弁護士の神原元氏は、マイノリティへの差別やヘイトスピーチと闘い続けている。彼が差別問題に本格的に関わるきっかけとなったのは、2013年に東京・新大久保で見たヘイトスピーチデモだった。以後、在日コリアンやクルド人への差別事件に取り組み、現在はクルドヘイト訴訟の弁護団として活動している。

かつて労働・刑事事件を中心に扱っていたが、DV被害などで在留資格を失う外国人女性を支援する中で、入管問題にも関心を持つようになった。新大久保でのデモを契機に「弁護士として取り組まなければ」と決意し、差別問題に注力するようになったという。

当時の法曹界では「表現の自由」を最重視する考えが主流で、ヘイトスピーチ規制に賛同する弁護士は少なかったが、神原氏は「差別を助長する言動を議論の自由で正当化できない」と指摘する。

現在、ヘイトの標的は在日コリアンからクルド人にも広がっており、神原氏はこれを「官製ヘイト」と批判。2025年5月の法務省「不法滞在者ゼロプラン」は犯罪と無関係な外国人を危険視するもので、排外的風潮を助長していると警鐘を鳴らす。

神原氏は「本来、政治家が止めるべきヘイトを弁護士が止めるしかない」とし、弁護士法に定められた「基本的人権の擁護と社会的正義の実現」を自らの使命と語る。今後は、在日コリアン事件で得た経験を活かし、若手弁護士の支援と訴訟活動を通じて社会に発信を続けていく考えを示している。
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2025-09-04
経営・管理,共生