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(UK Constitutional Law Association)ジョアンナ・ベル:移民・亡命法案(第1部)――亡命不服申し立てと内務省との関係を再構築する提案

公開日
2026-08-26
メディア
UK Constitutional Law Association
記事要約
英国の「移民・庇護法案(Immigration and Asylum Bill)」は、内務省による移民・難民判断への不服申立制度を大きく再編し、現在の第一審審判所(FTIAC)を廃止して、新たに「独立移民不服申立機関(IIAA)」を設置することを提案している。背景には深刻な審理遅延があり、2026年6月時点で12万人以上の庇護申立人が判断を待ち、平均処理期間は61週間に達している。

改革の特徴は、法律家以外にも審理を担わせる点である。法律経験を必要とする「上級審判官」とは別に、法律資格を必要としない「執行審判官」が多くの事件を処理することで、迅速化と柔軟な人員確保を目指す。しかし、難民事件は人権法など複雑な法的判断を必要とするため、法律家団体からは、十分な採用・研修・指導体制なしでは判断の質が低下し、結果的に上級審への不服申立てが増えて遅延が別の場所へ移るだけだとの批判が出ている。

記事がより重大な問題として指摘するのは、IIAAと内務省の関係である。法案では、内務大臣がIIAAの最高幹部を任命し、IIAAに「移民・庇護制度における公共の利益」を考慮する義務を課す。また、現在は司法省が担う審判制度の財政についても、IIAAでは内務省が資金を提供し、その資金に条件を付けられる仕組みとなる。

そのため記事は、名称に「Independent(独立)」を掲げても、実質的には内務大臣が人事、組織運営、財政などを通じてIIAAに影響を及ぼす余地が拡大すると懸念する。問題の本質は単に「法律家以外にも審理を担当させるか」ではなく、従来司法制度の一部として存在してきた移民・庇護の不服申立制度を、内務省との関係がより密接な新組織へ移管することにあると論じている。

FTIACの大量の未処理案件を解消する必要性自体は認めつつ、記事は、非法律家の活用であれば既存の審判制度を改革する方法もあると指摘する。議会は迅速化だけに注目せず、法案が移民・庇護審査における司法的独立性と行政権との関係を根本的に組み替える改革であることを慎重に検討すべきだと結論づけている。
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