入管・在留関連ニュース

(弁護士JPニュース)「外国人の犯罪率が高い」は誤解? “偏見”生むメディア報道の「取捨選択」

公開日
2026-06-28
メディア
弁護士JPニュース
記事要約
外国人が関与する事件が報道されると「外国人犯罪が増えている」という印象を持たれがちだが、これは報道機関が膨大な事件の中から一部を選んで報じる「編集権」による影響が大きい。事件報道は社会的関心や公益性、話題性などを基準に選ばれるため、外国人や著名人など特定の属性を持つ被疑者が目立ちやすく、実態以上に犯罪が多いという印象を与えることがある。

実際の統計では、来日外国人による刑法犯の検挙件数・検挙人員は平成前半より大幅に減少している。2024年の来日外国人による検挙件数は全体の約4.6%、検挙人員は約3.3%であり、訪日外国人や在留外国人の増加を考慮すると、「外国人の犯罪率が日本人より飛び抜けて高い」と一般化することは適切ではないと指摘している。

また、「外国人は優遇される」という見方も誤解である。外国人の起訴率は日本人と大きな差はなく、有罪となれば日本人と同様に服役する。一定の犯罪では退去強制手続が並行して行われることがあり、生活基盤や家族を失い、再入国も制限されるため、必ずしも有利な扱いとはいえない。

一方で、外国人には言語や文化の違いに配慮し、通訳の配置やハラール食の提供などが行われるが、これは刑事手続上の権利保障のための合理的配慮であり、「優遇」ではない。

著者は、事件報道は社会問題を可視化し制度改善につながる重要な役割を持つ一方、外国人犯罪を過度に一般化して偏見や差別につなげるべきではないと指摘する。不法残留や一部の外国人犯罪、技能実習生の困窮など実際の課題には目を向けつつも、報道された個別事件だけで外国人全体を評価するのではなく、統計や制度の実態を踏まえて冷静に判断することが重要である。
タグ
ファクトチェック

「ファクトチェック」を含むニュース記事一覧

公開日
記事のタイトル
タグ