入管・在留関連ニュース

【データ検証】「外国人による治安悪化」は本当か?→インバウンドは明確に無関係…だが、労働者の属性次第では犯罪増加も

公開日
2025-07-31
メディア
東洋経済オンライン
記事要約
この記事は、外国人労働者の増加と治安の関係について、多角的にデータと分析を用いて論じたものである。

まず、訪日外国人旅行者(インバウンド)の増加と犯罪件数の間には統計上の相関関係は見られず、「インバウンドが治安を悪化させている」という主張は誤解に基づいていると指摘する。警察の統計は在留外国人を対象としたものであり、短期滞在の観光客は含まれていないからだ。

また、外国人の犯罪率が日本人より高いという事実はあるが、それは「若年男性」という、犯罪率が高くなりやすい属性が外国人労働者に多く含まれているためであり、外国人だから犯罪を起こしやすいという単純な話ではない。実際、日本人の犯罪率が低下しているのも、高齢化によって若年層の割合が減少しているためだとされている。

さらに、外国人の検挙人員数は2005年をピークに大きく減少しており、在留外国人数が増加しているにもかかわらず、人口に対する犯罪率は長期的に下がっている。2023年のデータでは、在留外国人数に対する検挙人員の割合は0.29%で、日本人の0.22%と大きく変わらない水準にある。

著者は、外国人労働者の受け入れが今後も必要であることを認めつつも、生産性向上や日本人の労働参加の拡大によって、外国人への依存度を下げるべきだと主張する。そして、「企業数を守るために外国人を増やす」のであれば、一定の治安リスクは容認せざるを得ず、それを回避したいのであれば、企業数の自然な減少を受け入れるべきだと論じている。

結論として、犯罪は国籍を問わず対処すべきものであり、偏見に基づく議論ではなく、事実とデータに基づいた冷静な政策判断が必要だと主張している。
タグ
入管政策

「入管政策」を含むニュース記事一覧

公開日
記事のタイトル
タグ
2025-07-16
入管政策,外国人雇用