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(DW)EUの新難民法CEASは、実際にどのような影響を与えるのだろうか?

公開日
2026-06-12
メディア
DW
記事要約
EUとドイツで長年準備が進められてきた新たな「共通欧州庇護制度(CEAS)」が6月13日に施行された。これはEUの難民・移民政策として近年最大規模の改革の一つであり、庇護希望者に対する手続きをEU域外境界でより迅速に処理することを目的としている。

新制度では、パキスタン、イラン、ロシア、トルコ、ナイジェリアなど、難民認定率が20%未満の国からの申請者について、EU外縁部の施設で迅速な国境審査(ファストトラック手続)が行われる。認定率の高いシリアやアフガニスタン出身者は従来どおり通常手続の対象となる。

しかし、移民政策専門家ジェラルド・クナウス氏は制度の実効性に懐疑的である。EUでは従来から最初に入国した国が庇護申請を処理する仕組みだったが、実際には機能せず、多くの難民がドイツやオーストリアで保護を受けてきた。クナウス氏は、新制度が導入されても難民流入数は出身国の情勢に左右される部分が大きく、制度改革だけで大きく変わるとは考えていない。

一方、ドイツ政府は新制度により、庇護申請者を最初に入国したEU加盟国へ移送しやすくなると期待している。EU加盟国には「義務的連帯(mandatory solidarity)」として、他国の庇護申請処理を分担する仕組みも導入される予定だが、ポーランドやハンガリーはこれまで参加に消極的であり、実施方法は依然不透明である。

さらに、ドイツは庇護申請者を担当国へ送り返すための「送還センター」を国内に整備する方針だが、現在は2か所しか存在しない。また、将来的にはEU域外の第三国に不認定者を送還する「リターンハブ(送還拠点)」構想もあるが、まだ具体化していない。

ドイツ政府は、近年の庇護申請減少は国境管理強化の成果だと主張している。しかし欧州委員会は、新制度施行に伴いドイツに対して国境検査を段階的に廃止するよう求めている。これに対しドイツのドブリント内相は、不法移民対策のため国境管理を継続する考えを示している。

また、新制度への対応のため、ドイツ連邦移民難民庁(BAMF)はシステム改修や職員研修など大規模な準備を進めてきたが、欧州委員会はドイツを含む多くの加盟国が依然として制度要件を完全には満たしていないと指摘している。EUのブルンナー移民担当委員も、「6月13日は改革の出発点であり、すぐに完璧に機能するわけではない」と述べている。
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