世界の移民・難民
関連ニュース

ドイツはなぜ、シリアへの強制送還を正当化するために使用された報告書を秘密にしていたのか?

公開日
2026-03-30
メディア
Syria Direct
記事要約
シリアのアサド政権崩壊後、欧州各国はシリア人の新規難民申請の抑制や送還の強化を進めている。ドイツでは、難民認定の判断に用いられるシリアの「出身国情報(COI)報告書」を約1年間非公開とし、その間も審査や裁判で利用していた。この結果、申請者は自らの審査に影響する重要情報にアクセスできない状態が続いた。

その後公開された報告書については、内容が古く不正確であるとの指摘があり、実際にこの未公開報告書を根拠に難民不認定や送還が認められた事例も確認されている。特に、シリア北東部での徴兵拒否者の扱いや拘束時の人権侵害に関する記述は、実態を過小評価している可能性があるとされる。

さらに、2025年にはシリア人難民申請の認定率が大幅に低下し、約7万7千人が審査待ちの中で、送還命令も増加している。ドイツ政府はシリアの状況改善を理由に、多くのシリア人の帰国を目指す姿勢を示している。

こうした中、報告書を非公開とした理由について当局は「申請者が内容を利用して虚偽申請を行う恐れがある」と説明したが、専門家からは不合理との批判が出ている。実際には、手続中に報告書へのアクセスは認められるため、この論理は成り立たないと指摘されている。

また、ドイツやオランダでは過去にも、送還を正当化するために現地情勢を過小評価したり、報告書の非公開化を試みたりする動きがあり、透明性の欠如が問題視されている。専門家は、報告書の公開と検証可能性の確保が、審査の質と公正性を高める上で不可欠であると強調している。
タグ
ドイツ

「ドイツ」を含むニュース記事一覧

公開日
記事のタイトル
タグ