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「ベトナムにいる弟も日本に留学させたい。だけど、もちろん新聞配達だけはやらせません」偽装留学を放置し続けている日本の罪

公開日
2026-05-02
メディア
Wedge
記事要約
この記事は、ベトナム人留学生が「留学」の名目で日本の低賃金労働に組み込まれている実態と、それを放置してきた日本社会の構造的問題を描いている。

主人公のタン君(22歳)は2024年に来日し、千葉県の新聞販売所で住み込み労働を始めた。仕事は深夜から早朝まで週40時間以上に及び、休みは月1回のみだったが、手取り給与は9万円未満だった。留学生の就労上限である週28時間を大幅に超える違法労働だった。

タン君は、ベトナム人ブローカーを通じて来日したが、契約内容を十分理解しないまま署名していた。新聞販売所、日本語学校、送り出し業者、ブローカーがそれぞれ利益を得る一方、タン君本人は「留学生」として日本に送り込まれ、低賃金労働力として利用された。

記事は、日本語学校側の責任も重いと指摘する。タン君の家庭には本来、留学ビザ取得に必要な経済力がなかったが、親の収入や預金残高を水増しした書類でビザを取得した。学校側も不自然さに気づいていた可能性が高いが、学費収入確保のため受け入れを行ったとされる。

その後、タン君は新聞配達を辞め、ラーメン店と宅配便仕分けのアルバイトを掛け持ちしながら生活した。違法就労時間を隠すため、派遣会社から現金手渡しで給与を受け取るなど、「抜け道」も利用していた。

さらに記事は、「偽装留学生」が専門学校進学を経由して日本就職を目指す実態にも触れる。タン君自身は進学を望まず、特定技能「外食業」の試験に合格した。しかし、日本語能力不足や出席率の低さから就職先が見つからず、さらに政府が特定技能「外食業」の新規受け入れ停止を決定したことで、帰国寸前まで追い込まれた。

ところが、受け入れ停止前の「駆け込み採用」が発生した結果、外食チェーンへの就職が決定した。タン君は「日本で5年間働いてお金を貯めたい」と希望を語る一方、「弟を日本に留学させても、新聞配達だけは絶対にやらせない」と話した。

記事は、問題の本質は留学生本人ではなく、偽装留学を黙認し、外国人を低賃金労働力として利用する日本側の制度と構造にあると批判している。
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留学,特定技能

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2024-12-02
特定技能,在留外国人数,技能実習,都市部への人材流出