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トランプ大統領の難民受け入れ「一時停止」が意味するもの、そして意味しないもの

公開日
2025-12-02
メディア
The Guardian
記事要約
ドナルド・トランプ大統領は、ワシントンで州兵2名が撃たれた事件を受け、米国での多数の庇護(アサイラム)申請審査を「一時停止(pause)」すると発表した。しかし、その範囲や期間、影響は依然として不明確である。

●停止の対象は「全て」ではない
ホワイトハウスは「すべての庇護判断を停止」と述べているが、実際に影響を受けるのはUSCIS(移民局)が扱う約150万件のみ。移民裁判所にある約240万件の庇護申請には適用されないとみられ、対象範囲は限定的である。関係機関からの明確な説明はまだない。

●トランプ政権の方針としては異例の“逆方向”
これまでトランプ政権は庇護審査を高速化し、完了件数・却下件数ともに急増させてきた。USCISは最近の四半期で13万件以上を処理し、否認も6倍に増えていた。バックログもわずかに減少に転じていた。今回の「停止」は、この方針と大きく矛盾する動きとなる。

●一時停止そのものより、“この後の政策変更”が本丸の可能性
法的に長期間審査を止め続けるのは難しく、数週間以上続けば訴訟が起きる可能性が高いと専門家は指摘。移民政策は既に多くが訴訟対象になっており、この措置も同様になる見通しがある。

専門家によれば、この「停止」は、
・今後の手続き見直しの準備
・別の強制措置や政策オプションの検討
のための“つなぎ”であり、実際の政策変更は今後数日〜数週間で公表される可能性があるという。

全体として、今回の「庇護審査の停止」は象徴的な意味合いが強く、実質的な影響は限定的であるものの、今後の移民政策強化の前触れとなる可能性が指摘されている。
タグ
米国

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