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移民に関するカトリックの教え

公開日
2025-08-02
メディア
Catholic Stand
記事要約
この記事は、カトリック教会が移民に対してどのような教えを持っているのかを、歴代教皇の文書を参照しながら解説しています。カトリックの社会教説では、移民に関して三つの基本原則が示されています。すなわち、人は自分と家族の生活を維持するために移動する権利を持ち、国家には自国の共通善を守るために国境や移民を管理する権利がある一方で、その管理は正義と慈悲に基づいて行われなければならないというものです。

1891年のレオ13世の回勅『レールム・ノヴァールム』は、移民問題を直接扱ってはいないものの、後の教えの土台となる補完性と連帯の原則を打ち出しました。1952年のピウス12世の文書『ナザレの亡命家族』では、移民は土地に生きる権利を持っており、受け入れ国と送り出し国の双方が信頼をもって協力すべきだと説かれています。政府は国家の共通善を守るために移民を制限することができるものの、その理由が不十分であってはならないと警告しています。

また、同じく1952年のクリスマスメッセージでは、移民政策が「冷たい計算」に基づいて人間の尊厳を損なっていることが問題視されました。1963年の教皇ヨハネ23世の回勅『地上の平和』では、「正当な理由」がある場合には、他国への移住・移民の権利が認められるべきだと明言されています。

結論として、カトリック教会は移民の権利を自然法に基づくものと認めつつ、国家にも自国民の利益を守る責任があることを理解しています。しかし、その制限は人間の多様な事情を考慮し、「正義」と「慈悲」をもって実施されるべきであるという立場をとっています。
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