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外国人労働者の日本語能力「N5」は英検3級相当、N4は準2級 帯同家族は要件なし

公開日
2025-12-14
メディア
産経新聞
記事要約
国内の外国人比率が総人口の3%に迫る中、「共生社会」の実現に向けて外国人の日本語能力が重要な課題となっている。出入国在留管理庁の資料によれば、在留資格によって求められる日本語能力には大きな差があり、日本語能力試験(JLPT)のN5からN1までが基準として用いられている一方、日本語能力を全く要件としない在留資格も存在する。

人手不足対策として外国人労働者を受け入れる「特定技能1号」では、原則としてN4相当以上の日本語能力が必要とされ、バス・タクシー運転手や鉄道乗員ではN3相当が求められる。N4は英検準2級~2級、N3は英検2級程度に相当するとされる。家族帯同が可能な「特定技能2号」でも、分野によってはN3相当が必要で、今後の増加が見込まれている。新制度「育成就労」では、最も易しいN5(英検3級相当)の取得が義務づけられる予定である。

一方で、「技術・人文知識・国際業務」や「家族滞在」、「永住者」など多くの在留資格では、法的な日本語要件は設けられていない。また、難民認定申請中の仮放免者や「特定活動(難民認定等手続中)」の在留資格についても、日本語能力は問われていない。こうした制度の下、特定の国籍集団が同国人同士で生活・就労する「社会内社会」が形成され、日本語を学ぶ機会や必要性が乏しくなっているとの指摘がある。

中長期的な外国人受け入れ政策を巡っては、「外国人10%時代」を想定した議論の中で、日本語能力や日本文化・慣習への理解を入国前から促す必要性が示されている。国費による日本語教育の実施も検討課題とされ、ドイツのように政府主導で言語教育や社会統合プログラムへの参加を義務づける制度が参考事例として紹介されている。

全体として、在留資格ごとに日本語要件が不均一である現状が、「共生」を阻む要因となり得ることから、日本語教育を含む制度設計の見直しが重要な政策課題として浮かび上がっている。
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