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【ベトナム】特定技能、越人材シェア低下 初の半数割れ、国籍多様化進む

公開日
2025-10-14
メディア
NNA
記事要約
2025年6月末時点で、「特定技能1号」で日本に滞在するベトナム人は14万6,270人となり、前年比15%増と引き続き増加したものの、伸び率は年々鈍化している。制度全体の伸び率(32%)を下回り、ベトナム人の割合は44%と、2019年以降で初めて半数を割った。依然として最大勢力ではあるが、特定技能人材の出身国は多様化している。

特定技能制度は2019年に導入され、在留期間最長5年の1号資格者は25年6月時点で33万3,123人に達し、前年比32%増となった。全体の56%が技能実習修了者であり、ベトナム人では71%が元実習生である。かつて特定技能人材の6割を占めていたベトナム人のシェアは低下傾向にある。

背景には、ベトナム以外の国々(インドネシア、フィリピン、ミャンマー、ネパールなど)の日本語教育や送り出し体制の向上、人件費上昇を見据えた企業の採用分散がある。特にインドネシアは前年比57%増、ミャンマー87%増、フィリピン28%増、ネパール73%増と急伸している。一方、ミャンマーでは政府の出国制限により、他国への求人流出懸念もある。

また、台湾への労働移動が増えている点も影響している。台湾は日本に比べて語学要件が緩く、準備期間も短いため、ベトナム人にとって就労ハードルが低い。円安も日本就労の魅力を下げているとみられる。

分野別では、飲食料品製造業が最も多く5万1,590人(前年比10%増)、次いで工業製品製造2万9,327人(同10%増)、建設2万7,811人(同31%増)と続く。外食業や宿泊業、航空分野でも人手不足を背景に増加している。

今後も特定技能人材全体の人数は増える一方で、出身国の多様化が進み、ベトナム人のシェアは徐々に低下すると見込まれる。2027年4月開始予定の「育成就労」制度は特定技能への移行を促す設計だが、現時点では大きな影響は限定的とみられている。
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特定技能,ベトナム

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入管法,共生,育成就労,永住者,特定技能,技能実習
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