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「日本は外国人労働者に選んでもらえなくなる」中国人女性が不法就労“助長”で退去強制 「無過失・不起訴」のはずが…裁判所は「処分妥当」なぜ?

公開日
2025-09-15
メディア
弁護士JPニュース
記事要約
この記事は、中国人女性Xさんが「不法就労助長」を理由に退去強制処分を受け、その取消しを求めた訴訟についての詳細な報告です。

東京高裁は一審判決を支持して控訴を棄却しましたが、争点は「不法就労助長」に故意・過失が必要かどうかでした。従来、行政法規違反に対する制裁的行政処分では故意・過失は不要とされてきましたが、近年は不利益の大きさから過失を要求する見解も強まっています。

Xさんは人材派遣会社で外国人面接を担当していたものの、在留カード確認の指導は受けておらず、過失はなかったと弁護側は主張。元社長が責任を押し付けた経緯も指摘されています。それにもかかわらず高裁は、マスク着用下で在留カードと照合しなかった点を過失と認定しました。

松村弁護士は、この判断は不当であり、過失の有無を問わず退去強制処分を科すのは危険だと批判。特に外国人が日本で生活基盤を築いている場合、その不利益は甚大であり、責任主義の観点からも少なくとも過失は必要だと主張しました。さらに、逐条解説書や法務省の研修資料にも「過失や故意が必要」との解釈が示されていることを強調しました。

最後に弁護士は、このままでは外国人労働者が安心して働けず、日本社会が必要とする人材に選ばれなくなると警鐘を鳴らしています。外国人労働者は介護や農業、建設、サービス業など幅広い分野で不可欠であり、日本社会維持のためにも制度の見直しが不可欠だと結んでいます。
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不法就労,裁判

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