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「山を転がり落ちた」 裁判で2回勝訴しても…宙に浮いた難民認定 シリア・アサド政権下で兵役忌避の男性を阻む行政・司法の現実【“知られざる法廷”からの報告】

公開日
2026-01-11
メディア
TBS
記事要約
シリアのアサド独裁政権下で兵役を忌避し、反政府的言動や活動を理由に迫害を受けた男性(モハメドさん)は、日本滞在中に財産没収や家族への脅迫・拘束が行われ、帰国不能と判断して難民認定を申請した。しかし入管は不認定とし、裁判に発展した。国側は、兵役忌避は難民条約上の迫害に当たらない、処罰は不当に重くないなどと主張し、出身国情報や政権の非人道性を軽視する姿勢を示した。

名古屋地裁は2024年、UNHCR資料等を踏まえ、兵役忌避者が反政府的とみなされ、逮捕・拷問・過酷な処遇や戦争犯罪への関与を強いられる恐れがあるとして、難民該当性を認め、認定義務付けを命じた。国は控訴したが、名古屋高裁も2025年に難民性自体は認め、不認定処分の取消しを維持した。一方で、アサド政権崩壊後の情勢変化を理由に、難民認定の義務付けは覆し、認定は「宙に浮く」結果となった。

専門家や弁護団は、2度の司法判断で難民と認められた以上、入管は速やかに認定すべきであり、難民条約の「終止条項」は、迫害の恐れが「根本的・安定的・永続的に」消滅したことが客観的に確認されない限り適用できないと批判する。現下のシリア情勢ではその要件は満たされず、行政と司法が当事者を長期に翻弄してはならないと強く訴えている。
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