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「いつの間にか街には黒人キャッチばかり」「在留資格はどうなってる?」《歌舞伎町の黒人男性たち》その知られざる正体【現地ルポ】

公開日
2025-11-15
メディア
東洋経済オンライン
記事要約
歌舞伎町の区役所通りや東通り、ゴールデン街周辺には、夕方から夜にかけて20~30人ほどの黒人男性が立ち、「ヘイ、ブラザー」などと声をかけてグータッチしながら、通行人をインターナショナルクラブ(多国籍キャバクラ的な店)へ案内している。彼らはいわゆる「キャッチ」で、一部には大麻やコカインなどの薬物売買に関わる者もおり、客引き行為は新宿区の条例違反、薬物はもちろん違法である。

彼らが目立つようになったのは1990年代後半頃からで、当初はヒップホップ系の洋服販売などをしていたが、やがてバーやクラブの経営・集客に関わるようになった。英語が通じる観光地としての歌舞伎町は、日本語が不自由でも働きやすく、ナイジェリア・ガーナを中心に、セネガル、ケニア、カメルーンなど、さまざまなアフリカ出身者が集まっている。

もともとこうしたインターナショナルクラブや黒人キャッチは六本木にも多くいたが、外国人観光客を狙った「ドリンクスパイキング」(飲み物に薬を混ぜて昏睡させ、金品を奪う)事件が急増し、各国大使館や警察の本格的な取締りが強化された結果、六本木から歌舞伎町へ拠点を移したとされる。

インターナショナルクラブで働く女性はフィリピン人やロシア人、日本人などが多く、「ぼったくりバー」として高額料金を請求する店も存在する。ただし、すべての店がぼったくりというわけではなく、「どの店か」より「そのキャッチと店との関係性」で扱いが変わるという証言もある。

黒人側の在留資格を見ると、店の経営者や幹部は日本人女性との結婚により「日本人の配偶者等」などの在留資格を得て、比較的自由に活動している人が多い。一方、路上に立つキャッチたちは、観光ビザでの不法就労やオーバーステイ、難民申請中、仮放免中、特定活動など、立場が不安定なケースもあり、本人同士でも詳しい在留状況は「お互い聞かない」ことが多いという。仮放免中は就労や口座開設もできず、「どうしようもないから歌舞伎町に行くしかない」と語られている。

2023年の入管法改正と、2024年6月施行の新ルールにより、難民申請を繰り返すことで強制送還を止めることが難しくなり、一部の黒人たちは母国へ帰らざるを得なくなる可能性がある。その結果として、歌舞伎町の姿も今後大きく変化していくかもしれない、という問題提起で記事は締めくくられている。
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2024-10-24
在留資格,中国,技術・人文知識・国際業務,経営・管理,留学