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「中国人留学生に月18万円!?」賛否両論あるニュースを池上解説!

公開日
2025-09-13
メディア
テレ朝News
記事要約
近年、「外国人が日本で優遇されすぎているのではないか」という意見がSNSなどを中心に広がっている。特に生活保護や留学生への支援制度に対して疑問や不満の声が多く上がっているが、実際の制度内容とは食い違った情報が独り歩きしているケースも少なくない。

まず、外国人の生活保護については、原則として日本人を対象にした制度であるが、1954年に出された厚生省の通知により、人道的な観点から、特別永住者や永住者、難民などの外国人にも生活保護が準用されてきた。これにより、一定の在留資格を持つ外国人に限っては、日本人と同じ条件で生活保護を受けることができる。ただし、観光客や技能実習生、留学生などは対象外である。SNSでは「外国人の生活保護が増えている」との声もあるが、統計的には過去10年でほぼ横ばいであり、急増しているという事実はない。

また、「中国人留学生に月18万円が支給されている」という情報も注目されているが、これは実際には「次世代研究者挑戦的研究プログラム(SPRING)」という、博士課程の学生向けの支援制度によるもので、外国人だけでなく日本人学生も対象である。目的は、博士課程に進む学生が減少している日本において、将来の研究者や技術者を育成するためのものであり、生活費として月18万円前後が支給されることもある。確かに受給している留学生のうち約7割が中国人であるが、それは全体の留学生数における中国人の割合が高いことが背景にある。

現在の日本では、賃金が上がらず、生活が厳しいと感じる人が多い中で、外国人観光客の「爆買い」や、外国人に支払われる支援金などが目立つことで、不満や不信感が生まれやすくなっている。しかし、表面的な情報や誤解に基づいた感情論ではなく、制度の背景や実態を正しく理解した上で、自分自身の意見を持つことが求められている。
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