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2025 年夏に実施されるさまざまな移民改革の概要。

公開日
2025-09-09
メディア
Newland Chase
記事要約
2025年6月の政令および8月の省令により、フランスの在留資格「タレント」(旧パスポート・タレント)制度が改正された。これまで複数に分かれていたカテゴリーが統合され、「タレント-サラリエ・カリフィエ(高度人材雇用)」は若手卒業生枠や革新企業従業員、現地雇用の企業内転勤者をまとめた形に整理され、「タレント-プロジェ・ポルトゥール(事業計画保有者)」は新規事業創設者やフレンチテックビザ創業者、投資家枠を統合した。また、新たに医師、歯科医師、薬剤師、助産師などを対象とする「タレント-医療・薬学専門職」が創設され、労働許可不要で更新可能な4年在留許可が与えられることになった。

報酬要件も見直され、「タレント-サラリエ・カリフィエ」では年額39,852ユーロに設定され、従来のSMIC(最低賃金)の倍額基準よりも利用しやすくなり、若手人材の採用促進が期待される。一方で、「EUブルーカード」は平均給与の1.5倍にあたる59,373ユーロに引き上げられ、2016年以来の大幅な増額となったため、今後の更新や家族帯同に影響が及ぶ可能性があり、企業には在籍者の適格性確認が求められる。

さらに、2025年7月の政令に基づき、2026年1月から言語要件と統合要件が強化される。複数年在留許可を得るにはA2レベルのフランス語力とOFII統合プログラムでの試験合格(正答率80%以上)が必要になり、仮滞在許可の更新は最大3回までに制限される。10年在留許可にはB1レベル、国籍取得にはB2レベルのフランス語力が求められるほか、新たに市民テストも導入される予定である。
タグ
フランス