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デンマーク政府、学生ビザ制度の移民抜け穴を巡り批判を浴びる

公開日
2025-11-04
メディア
EURACTIV
記事要約
デンマークで、アジア(特にネパールとバングラデシュ)からの留学生数とその家族の受け入れが急増していたことが明らかになり、政府の厳格な移民政策が揺らいでいる。2019年に190人だった該当留学生は、2024年には約10倍の2,146人に増加。留学生は家族を帯同でき、双方が労働市場にアクセスできるため、「留学生ビザが就労への抜け道として悪用されている」と野党や右派勢力が批判している。

特にロスキレ大学では、大学院新入生の16%がバングラデシュ出身となり、「大学が独自の移民政策を行っている」と政治的非難が集中。大学側は「受け入れが行き過ぎた」と認め、学長が辞任する事態となった。

政府(社会民主党・自由党・穏健党の連立)は移民抑制を政治の柱としてきたが、今回の問題は国民に「管理ができていない」と映り、来年の総選挙を前に政権に打撃となっている。

政府は対策として、留学生のデンマーク語要件の強化、資格審査の厳格化、さらに2026年からは留学生の配偶者帯同を禁止する方針を打ち出した。しかし野党は「対策は不十分」と批判し、すでに入国した者についても調査し、虚偽があれば国外退去させるべきだと主張している。

一方、移民法の専門家は、退去には個別審査が必要で、人権条約(家族生活の尊重)との関係で簡単には行えないと指摘している。
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