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「イタリアの外国人は540万人に増加」―移民報告書

公開日
2025-10-16
メディア
InfoMigrants
記事要約
最新の「カリタス=ミグランテ移民報告」によると、イタリアでは外国人の人口と影響力が着実に増加している。外国人は総人口の9.2%、約540万人を占め、労働力人口では10.5%、学生全体の11.5%を占める。報告書は、外国との純移動が自然減や国内移動の減少を補っていると指摘している。

外国人居住者の主な出身国はルーマニア、モロッコ、アルバニア、ウクライナ、中国であるが、近年はペルーやバングラデシュからの来訪者も増加しており、バングラデシュ人は多くの州で新規在留許可数上位3位に入っている。外国人は主に中央・北部に集中しており、不法滞在者は地域により居住環境が異なる。住宅アクセスに関する調査では、外国人が差別や経済的困難に直面していることが確認されている。

出生面では、2024年の出生数約37万人のうち、21%以上が少なくとも片親が外国人であり、外国人家族が人口再生に重要な役割を果たしていることを示す指標となっている。また、2024年には21万7,000件以上の市民権取得が記録され、地方や農村部での人口維持や学校・経済活動の活性化に寄与している。

就労面では、イタリアの労働者総数は約2,400万人で、そのうち外国人は250万人超を占める。外国人の新規雇用契約は全体の25%を占め、特に北西部・北東部で多く、南部・島嶼部でも増加が顕著である。非EU外国人の失業率は10.2%と高く、活動率の低さも課題となっている。

教育面では、2023/24学年度に91万人以上の外国籍学生が在籍し、総学生数の11.5%を占める。多くの移民の子どもはイタリアで生まれ育ち、実質的にはイタリア人であるが、正式な市民権を持たない場合が多い。報告書は、こうした新世代移民は多文化的で国際的な感覚を持つことを強調している。
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イタリア