[ブログ]持病で医薬品等を長期間分持ち込む必要がある場合の「医薬品携行」ガイド
2025-12-24
先日、外国人の在留資格認定証明書交付申請を取り次いだ際、持病があり6か月間毎日自己注射をしなければならない方の来日準備で「医薬品の携行」が重要なテーマとして浮かび上がりました。海外から日本に長期滞在する外国人が医薬品を携行する場合には、日本の法令上の規制や税関手続き、事前申請の必要性などを正確に理解しなければ、入国時のトラブルや治療継続の支障につながる可能性があります。本記事では、医薬品の携行にあたって押さえておくべき留意点を、制度の趣旨や活用すべき厚生労働省の公式案内・システムを交えて整理します。
医薬品の「個人使用」としての携行の基準
海外から医薬品を持ち込む場合、個人使用の範囲内であれば原則として問題なく携行できますが、「量」「規制区分」「申請書類」の3点が重要です。厚生労働省は、個人使用目的で医薬品等を日本に持ち込む場合の基準を公式に案内しています。まずは厚労省のページを確認してください。厚生労働省:医薬品等個人輸入・携行に関する基本情報(外国人向け)ここには、どのような手続きが必要か、どの程度の量までが認められているかなどが整理されています。
「6か月分」の注意点:数量が大幅に超える場合は要申請
一般的な目安として、医薬品を日本に持ち込む場合「1か月分程度」を超えると、税関で説明を求められるケースが増えます。特に「6か月分の医薬品(注射薬含む)」は目安の範囲を大きく超えるため、事前に厚労省のガイドラインに沿って手続きを行うことが推奨されます。厚労省が提供する「海外から医薬品等輸入確認情報システム」は、必要な書類や手続きの有無をオンラインで確認・申請するためのプラットフォームであり、事前に利用することで税関でのトラブルを大幅に減らすことができます。厚生労働省:海外から医薬品等輸入確認情報システム(Yunyu Kakunin-sho)このシステムでは、携行する薬が日本の規制対象に該当するか、事前申請が必要かどうかを入力して確認できるため、来日前の段階で必ず活用してください。
麻薬・向精神薬・覚醒剤原料の該当性を確認する
薬の名称や用途に関わらず、有効成分が日本の麻薬、向精神薬、覚醒剤原料に該当する場合は、通常の個人使用の範囲でも許可が必要になります。特に注射薬は該当するケースがあり、自己注射薬であっても成分名(一般名)・含有量・剤形(注射剤であること)を確認し、必要に応じて事前に許可申請を行う必要があります。許可が必要な場合は、地方厚生(支)局長の許可を取得しておく必要があり、申請が遅れると入国時に薬を没収されるリスクが高まるため注意が必要です。
入国時・税関での対応:証明書類を揃える
税関では、医薬品の持ち込みについて質問を受けることがあります。とくに量が多い場合や注射薬を含む場合は、以下の書類を携行すると説明がスムーズです。①医師の診断書または処方証明書(英語併記推奨):病名・治療必要性・薬剤の一般名・用法用量・携行量を明記。②処方箋の写し。③薬の外箱・添付文書(成分と用量が確認できるもの)。④「海外から医薬品等輸入確認情報システム」で確認した結果・必要な許可書類。これらはコピーではなく原本を携行し、税関職員に提示できるようにしておきましょう。また、注射器具やシリンジがある場合は、医療目的であることを証明する書類も併せて提示します。
航空機内での扱いと温度管理
自己注射薬を航空機で輸送する場合、温度管理が必要な薬剤が多くあります。これらはスーツケースに預けると温度変化により劣化するリスクがあるため、原則として機内持ち込み手荷物にすることが推奨されます。ただし、保冷剤や保冷バッグを用いる場合、航空会社ごとのルールがあるため、事前に各航空会社の案内を確認してください。また、注射針やシリンジは保安検査で確認される場合があるため、説明できる書類をすぐに提示できるようにしておきます。
まとめ:事前確認とシステム利用でトラブルを防ぐ
持病のある外国人が継続治療のため医薬品を日本に持ち込む場合、数量や成分によっては単なる持参では済まないケースがあります。とくに6か月分の自己注射薬は、携行量が多いことから事前に厚生労働省の基準を確認し、「海外から医薬品等輸入確認情報システム」を利用して必要手続きを済ませることが非常に重要です。これにより入国時の税関での説明負担が軽減され、治療中断のリスクを抑えることができます。医薬品の携行は本人・受入機関双方にとって重要な実務事項であり、必ず厚労省の公式案内を確認し、準備を進めましょう。
