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2025年のLARとカナダ移民の動向:コントロールと機会のバランス

公開日
2025-06-26
メディア
Fragomen
記事要約
2025年、カナダとラテンアメリカでは、移民政策が制限強化と戦略的な人材誘致、そしてデジタル化の進展という三つの大きな潮流に沿って変化しています。両地域とも、国内外の政治的・経済的な圧力を背景に、移民流入を抑制する方向へと舵を切っています。

カナダでは、住宅や医療、インフラに対する社会的な負担が移民と結びつけられる中、留学生数の上限設定やポスト・グラデュエート・ワークパーミット(PGWP)の発給縮小、州推薦プログラムの見直しが進んでいます。2025年からの移民レベル計画では、一時滞在者数に200万人の上限が初めて設けられ、抑制的な姿勢が鮮明になりました。加えて、米国との貿易摩擦や不法移民対策の強化に対応し、監視技術や亡命申請の迅速化など国境管理も強化されています。

一方で、優秀な外国人材の獲得に向けた取り組みも同時に進められています。カナダは経済移民を中心に年間39万5千人の永住者を目指し、医療・教育・建設などの分野で優遇措置を講じています。また、地方労働市場の不足を補うため、農村地域移民パイロットプログラムなども継続されています。ラテンアメリカでも、米国の移民政策が狭まる中、ブラジルやコスタリカなどが高学歴外国人向けのビザ制度を整備し、パナマはMERCOSURへの準加盟で域内移動を促進するなど、地域内外からの人材確保を進めています。

また、両地域ともに移民手続きのデジタル化を加速しています。カナダでは、オンラインでの申請追跡システムやAIを活用した審査の迅速化が進む一方、システムの不具合や公平性を巡る懸念も浮上しています。ラテンアメリカでも、メキシコのセルフサービス端末や、ブラジル、チリ、エクアドルなどでの電子ビザ・ID導入などが進んでおり、利便性と透明性の向上が図られていますが、サイバーセキュリティの課題も残されています。

総じて、2025年の移民制度は複雑さを増しており、雇用主やモビリティ担当者は制度変更に対する綿密な戦略とコンプライアンス対応が不可欠となっています。
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