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80、外国人の人権と入管、難民

公開日
2025-07-03
メディア
日本共産党
記事要約
この文書は、日本共産党が批判する2023年の入管法「改悪」について、その問題点と改善提案、さらには外国人労働者・難民政策に関する党の立場を包括的に説明している。

まず、2023年に岸田政権が成立させた改正入管法は、2021年に廃案となった法案とほぼ同じ内容であり、人権侵害の構造を温存・強化するものだと批判している。特に、難民認定申請中であっても例外的に送還を可能とする規定は、迫害を受ける恐れがある人々を危険にさらし、難民条約に反する「ノン・ルフールマン原則」に違反する恐れがあるとする。また、申請中に送還を拒んだ外国人に対する「送還忌避罪」の新設や、司法審査なしで無期限収容が可能な体制も問題視されている。

共産党は、難民行政を出入国在留管理庁から分離し、独立した保護機関を設けるべきだと主張している。難民認定の在り方も、現在のように極端に認定数が少ないずさんな審査ではなく、専門性と国際基準に基づいた判断が必要とされる。仮放免中の外国人が困窮の中で帰国を強いられる現状や、支援者に監視役を負わせる監理措置制度についても強く批判し、これらの是正を求めている。

また、日本の外国人労働政策についても深刻な人権問題を含んでいるとし、特に「特定技能」や「技能実習制度」は、安価な労働力確保を目的としたものであり、ブローカーの介入、不安定な雇用、住居問題など、構造的な人権侵害を生んでいると指摘している。名称を変えた「育成就労制度」も本質的に変わっておらず、転籍の自由が保障されず、旧制度の延命にすぎないと批判する。こうした制度の廃止を含む抜本的見直しが必要であると主張している。

さらに、日本共産党は、外国人労働者に対して人間らしい生活と権利保障を行うべきとし、家族帯同、出産・育児支援、日本語教育、教育支援、多文化共生の推進など、包括的な生活支援体制の整備を訴えている。

永住外国人については、地方参政権の付与を求めるとともに、2024年の改正入管法で導入された永住許可取消し制度を「重大な人権侵害」として廃止を主張している。

難民政策では、日本が極端に少ない認定数にとどまっていることを問題視し、難民の定義の狭さや、難民審査が入管行政と一体化していることが根本原因であるとする。申請中・認定後の生活支援の不十分さも指摘し、生活保障の拡充や、独立した審査制度の創設を提案している。また、国際的な責任として、難民の受け入れ強化、周辺国への支援、外交による紛争解決努力も日本に求められていると述べている。

全体として、入管政策、外国人労働政策、難民政策における日本政府の姿勢は非人道的であり、憲法の人権保障に基づいた抜本的な見直しが急務だと日本共産党は主張している。
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2024-07-09
入管政策,入管法,難民認定,永住者.育成就労,技能実習