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熟練した移民が米国からカナダへ移住している。北部は頭脳流出からどのように利益を得ることができるのだろうか?

公開日
2025-04-27
メディア
The Conversation
記事要約
近年、アメリカの熟練労働者や留学生が、厳しい移民政策や永住権取得の長期化といった理由から、より移民に寛容なカナダへと移住する動きが強まっている。以前はアメリカ市民が主な移住者だったが、現在では非市民の割合が増えている。特に医療や研究分野の専門職がカナダに流入しており、ブリティッシュ・コロンビア州などは海外の医療従事者の資格認定を簡略化する政策も打ち出している。

カナダとオーストラリアはともに、熟練移民の受け入れに積極的であるが、両国とも近年は移民規制を強め、歓迎の姿勢が揺らいでいる。移住後、多くの熟練移民が本来の資格や経験を活かせずに低スキルの仕事に就いている現状も共通の課題であり、これは国家経済にとっても損失となる。さらに、家族と共に移住するケースが多いにもかかわらず、政策の多くは単身の経済移民を前提としており、配偶者の就労支援や子どもの教育支援などが不足している。

このような状況を踏まえ、カナダが持続可能な移民制度を築くためには、移民の受け入れだけでなく、彼らが現地で定着し、能力を十分に発揮できる支援体制の整備が求められている。それには、ビザ制度の透明化や資格認定の改善、地域への分散的な定住支援、家族全体への包括的な支援などが必要であり、移民を一時的な労働力としてではなく、将来の市民として位置づける発想の転換が重要である。
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