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入管制度を問い続けて30年「生身の人間として向き合う」児玉晃一弁護士の信念

公開日
2025-07-11
メディア
弁護士ドットコム
記事要約
児玉晃一弁護士は、1995年に政治的迫害から逃れて来日したイラン人一家の代理人を務めたことをきっかけに、難民・入管問題に本格的に関わるようになりました。以来30年にわたり、「アフガン難民収容事件」「カメルーン男性死亡事件」「スリランカ女性名古屋入管死亡事件」など数々の入管事件に取り組み、日本の制度改善に尽力してきました。

弁護士になったきっかけと進路の変化
もともと裁判官に憧れて司法試験を目指しましたが、実際の裁判官や検察官の世界に理想とのギャップを感じ、消去法で弁護士を選択。その後、友人に依頼されて支援したイラン人一家の件が、外国人支援の原点となりました。

入管制度への問題意識と改善
東京入管(十条入管)の過酷な環境を知る児玉さんは、子どもの収容撤廃や難民申請の期限撤廃など、わずかな制度改善を評価しつつも、全体としては「ひどくなっている」と厳しく批判。政府の「非正規滞在者ゼロプラン」には根拠がないとし、外国人と実際に接することがヘイトの解消につながると語ります。

スリランカ女性死亡事件での粘り強い訴え
名古屋入管で死亡したスリランカ女性の裁判では、証拠映像の重要性を確信し、裁判所に公開を粘り強く訴え続け、2023年に5時間半の監視映像が法廷で公開されました。

心のバランスと継続の秘訣
困難な事件を抱えながらも、児玉さんは「仲間とのお酒」が心の支えになっていると明かします。依頼者に全力を尽くしたうえで自分の時間も大切にすることが、長く活動を続けるための鍵だと話しています。

児玉さんの活動は、法律を通じて社会の不条理に立ち向かい、人間の尊厳を守る弁護士の姿勢を体現しています。
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