世界の移民・難民
関連ニュース

トム・ハンター卿:スコットランドには独自の移民政策が必要

公開日: 2025-05-19
メディア: STV News
記事要約: スコットランドの実業家サー・トム・ハンター氏は、労働力不足に対応するためにスコットランドには「英国とは別の移民政策」が必要だと主張している。彼は、自身の財団を通じてシンガポールの経済成長を参考にした報告書をオックスフォード・エコノミクスに依頼し、スコットランドの将来に役立てようとしている。

ハンター氏は、スコットランドは過去10年間で「緩やかな衰退」にあるとし、高齢化が進む中、働き手が減少していることから、移民の受け入れが不可欠だと述べた。イングランドとは異なる人口動態と社会状況を持つスコットランドには、独自で前向きな移民政策が必要だと強調している。

これは、英労働党のキア・スターマー党首が2029年までに純移民数を減らす方針を発表した直後の発言であり、新たな政策では介護職ビザの廃止や留学生の滞在制限が含まれている。

報告書では、スコットランドの労働者一人あたりの生産性はシンガポールの半分で、最高税率は2倍とされており、ハンター氏は税制や規制の緩和を提案している。また、教育水準の低下やNHS(国民保健サービス)の機能不全、健康状態の悪化などスコットランドの現状に危機感を示している。

これに対しスコットランド政府は、移民は経済成長や公共サービスに不可欠であり、画一的な移民政策はスコットランドには合わないと述べ、ハンター氏の提言に理解を示している。
タグ: 英国